市販薬(OTC医薬品)と処方薬 南新宿クリニックアレルギー専門サイト

薬ならどっちも一緒?

 医療機関を受診して処方されるお薬と、ドラッグストアなどで購入できるお薬は何が違うのでしょうか?「どちらも同じ薬でしょ?」「効き目が一緒ならどちらでもいい。」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実は処方されるお薬は「医療用医薬品」ドラッグストアなどで購入できるお薬は「一般用医薬品」や「要指導医薬品」と呼ばれ区別されています。

 一般用医薬品や要指導医薬品は、Over The Counter(OTC)医薬品や、市販薬、大衆薬とも言われます(ここではまとめてOTC医薬品とします)。それでは、医療用医薬品OTC医薬品の違いを見ていきましょう。

OTC医薬品(一般用医薬品、要指導医薬品)の特徴

 OTC医薬品は、薬剤師や登録販売者の説明を受けて購入し、自己判断で使用します。処方箋無しで誰でも購入できるため、手軽に手に入るというメリットがあります。

 誰でも購入できるため、赤ちゃんから子ども、大人、お年寄りと様々な人が使用する可能性があるので、安全性が重要視されています。そのため、症状に有効な成分が少なめに配合されていることが多く、症状の重症度や経過によっては思ったように効果が発揮されないこともあります。

 また、OTC医薬品は第1類、第2類、第3類医薬品と薬のリスクによって、分類されています。第1類医薬品は、薬剤師の情報提供を受けることが義務付けられているお薬で誤った使用方法をしていると、副作用など思わぬ症状を引き起こすこともあります。

 例えば、市販されている点鼻薬には、鼻腔内の血管を収縮させる薬剤が含まれているものが多くあります。一時的に症状が解消されるためスッキリとした感覚を感じる方が多いですが、使い続けることで薬剤の血管への効果が薄まったり、逆に鼻づまりがひどくなる薬剤性鼻炎を引き起こすことがあります。

 最近は登録販売者のいるコンビニやスーパーなどでも手軽に手に入り、便利なOTC医薬品ですが長期間使用する際には、医師に相談するようにしましょう。

医療用医薬品の特徴

 医療用医薬品は、医療機関で医師の診察を受けて処方されるお薬です。診察を通じて、一人一人の症状の現れ方や重症度、検査結果、他のお薬の服用状況や飲み合わせなどを考慮してお薬が処方されることが特徴です。そのため、鼻づまりがひどい場合には鼻づまりに特化した効果が期待できるお薬を処方したり、眼の痒みを和らげるお薬を処方したり、そうしたお薬の組み合わせを考慮しながら併用したりできます。アレルギーのお薬は様々あり、複数種類のお薬から100パターン以上の組み合わせを検討して、お薬を処方します。

 さらに、医療用医薬品の中には、OTC医薬品よりも有効成分を多く含んでいるお薬や、OTC医薬品にない成分を含んでいるお薬があります。医療用医薬品が、よく効くことを目的としているため、効き目が強くなっているという特徴もあります。ただし、患者さん一人一人に合わせて、量や種類が決められているので、処方された人以外の服用はできません。適切に効果を発揮するためにも、医師に相談して用法・用量を守って服用することが重要です。

アレルギーと薬の関係

 アレルギーの症状はOTC医薬品で症状を抑えられることもありますが、長期に服用していると効果が得られにくくなったり、気づかないうちに症状が進行してしまうこともあります。OTC医薬品は、手軽で便利なため2週間程度の短期的に使用することは有用と思います。しかし、アレルギーは風邪などの急性の病気とは異なり、自分の体に備わった免疫機能による病気で、一時的に症状を抑えても症状が再発したり、花粉シーズンや年間を通して症状が見られることも少なくありません。

 アレルギー症状の治療のポイントは、アレルゲンをしっかりと把握することです。アレルゲンを知ることで、アレルゲンを避けたり、対策方法を検討したりすることに繋がります。自分がどのアレルゲンにアレルギー反応があるのかは、医療機関で検査を受けることで知ることができます。症状の現れ方やタイミングなどの問診からアレルゲンを推察したり、血液検査からアレルゲンを特定することができます。検査結果や状況によってはアレルゲン自体に対する体質改善することのできる舌下免疫療法など他の治療の選択肢を考慮することもできます。

 当院では、一人一人の生活環境(ペットの飼育状況など)やアレルギー反応が起きた状況などをお伺いし、ご希望がございましたら採血によるアレルギー検査を行っています。採血検査では、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなどの植物や、ハウスダスト、ダニ、動物の毛や皮屑(フケ)など、症状の現れ方や生活環境に応じて詳細にお調べするようにしています。

 また、アレルギー症状にお悩みの場合、医療機関を受診することで診察、お薬の処方が保険適用となります。アレルギーは長い期間付き合っていく必要のある病気ですので、複数のお薬を併用する場合や長期的に服用する場合には、市販薬を購入する場合と比べて、費用を抑えられることがあります。アレルギーの症状かもと思ったら、早めに医療機関に相談するようにしましょう。

編著
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医 木村暁弘
日本アレルギー学会 アレルギー専門医 木村絢子