気管支喘息 南新宿クリニックアレルギー専門サイト

子どもの気管支喘息

気管支喘息って?

 気管支喘息は、空気の通り道である気管支に慢性的に炎症が起きて、気道が狭くなる発作を繰り返す病気です。風邪や空気中のホコリ、たばこの煙など様々な刺激がきっかけとなり、激しい咳や呼吸困難などを起こします。呼吸に伴いゼーゼー、ヒューヒューと空気が通る音が聞こえることもあります。発作がひどい場合には、息苦しさから寝不足になったり、食事がとれなかったり、会話に支障が出たりなど生活に影響が出ることもあるため注意が必要です。

こんな症状

気管支喘息では、

・咳
・ヒューヒュー、ゼーゼーという音が聞こえる
・息苦しさ、呼吸困難

といった症状が繰り返します。運動や風邪、アレルゲンの吸入、気候の変動などによって繰り返される場合はわかりやすいですが、症状が咳だけである場合や発作の頻度が少なく軽い場合は気づきにくく、注意が必要です。

また、上記の症状が複数同時に現れる場合や、一部だけ見られる場合もあり、近年では咳症状だけを示す咳喘息も増えています。

気管支喘息の重症度分類

 喘息は症状の程度によって、治療方法も異なるためガイドラインでは、以下のように喘息重症度を分類しています。重症度分類は成人と小児で異なります。

小児の気管支喘息

重症度症状程度並びに頻度
間欠型・年に数回、季節性に咳嗽、軽度喘鳴が出現する。
・時に呼吸困難を伴うこともあるが、β₂刺激薬の頓用で短期間で症状は改善し、持続しない。
軽症持続型・咳嗽、軽度喘鳴が1回/月以上、1回/週未満。
・時に呼吸困難を伴うが、持続は短く、日常生活が阻害されることは少ない。
中等症持続型咳嗽、軽度喘鳴が1回/週以上。毎日は持続しない。
時に中・大発作となり、日常生活が障害されることがある。
重症持続型咳嗽、軽度喘鳴が毎日持続する。
週に1~2回、中・大発作となり日常生活や睡眠が障害される。
最重症持続型重症持続型に相当する治療を行っていても症状が持続する
しばしば夜間の中・大発作で時間外受診し、入退院を繰り返し、日常生活が制限される。

(参考文献:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017)

成人の気管支喘息

重症度 軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型
喘息症状の特徴 頻度 週1回未満 週1回以上 毎日 毎日
強度 ・症状は軽度で、短い ・月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ・月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる
・しばしば増悪
・日常生活に制限がかかる
・しばしば増悪
夜間症状 月に2回未満 月に2回以上 週1回以上 しばしば
呼吸機能
(FEV1※1・PEF※2
%FEV1
%PEF
80%以上 80%以上 60%以上
80%未満
60%未満
変動 20%未満 20~30% 30%以上 30%以上

※1…FEV1とは呼吸機能検査でわかる「一秒量」のこと
※2…PEFとは、自宅で出来る呼吸検査機器(ピークフローメーター)でわかるピークフローの値

(参考文献:喘息予防・管理ガイドライン2018)

気管支喘息のメカニズム

 気管支喘息の方の気道は、通常では反応しないような些細な刺激でも敏感に反応して、空気の通り道が細くなり、息苦しい発作を繰り返してしまう病気です。

 気道が敏感になってしまう原因は、気道粘膜に炎症があるからと考えられております。炎症とは、皮膚に例えると傷が出来て赤く腫れてヒリヒリしている状態です。気管支喘息の方の気道は発作がない時でも常に炎症が続いており、ちょっとしたことで発作が起こりやすい敏感な状態となっています。そのため、発作がないときでも普段から刺激を減らしたり炎症を抑える治療が大切です。

様々なきっかけで症状が出やすいので注意!

 様々なものが刺激になり、ダニや花粉などのアレルゲンとなる物質で引き起こされることや、たばこや線香などの煙が原因となり発作を引き起こすこともあります。特に子供では、アレルギーが原因で引き起こされるアトピー型喘息が多いため、アレルゲンを避けることも大切です。

・アレルゲンを吸い込んだとき
・風邪をひいたときなど、咳を起こす感染症にかかったとき
・気温差が大きくなる、季節の変わり目
・煙(タバコ、焚き火、線香など)、スプレー、排気ガスやPM10などの空気汚染
・薬物(アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症物質)
・他の病気(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肥満など)
・過労、ストレス・月経

喘息発作を引き起こす要因

■アレルゲン■

■その他の原因■

放っておくとどうなる?

 適切な治療を行わず、炎症をそのままに放置して発作を繰り返してしまうと、気管支の壁が厚くなって気道の弾力性がなくなり、空気の通り道が狭くなってしまいます(これをリモデリングといいます。)。この場合、呼吸機能の低下につながり、元に戻りません。そうならないよう、炎症が改善されるまで根気よく治療することが必要です。

 つまり喘息は発作の治療だけでなく、発作を起こらないようにする治療が一番大切といえるでしょう。

気管支のリモデリング

編著 日本アレルギー学会 アレルギー専門医 木村絢子